研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、エルロチニブ誘導性の皮膚障害に対するアダパレンの治療効果および作用メカニズムを明らかにすることである。エルロチニブによる皮膚障害はエルロチニブとTNFα、IL1βおよびHaCaT細胞を使って再現した。まずエルロチニブを投与した時のサイトカインの変化として、CCL2、CCL27およびIL8の有意な発現上昇が見れらた(P<0.05)。次にエルロチニブ誘導性のIκBαとp65のリン酸化はアダパレンにより抑制された。また、NFκBを阻害するRARγの発現がアダパレンにより増加していた。
呼吸器内科
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による皮膚毒性は頻度が高く、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の中止理由としても重要な有害事象の一つであるが、現在のところ、有効な治療法が少ない。本研究により、アダパレンの皮膚障害に対する有効性が明らかとなり、EGFRチロシンキナーゼが奏功しているものの、皮膚障害のために減量または中止せざるを得ない患者に対して大きな福音となり、生存率の改善に寄与することが期待される。