研究課題/領域番号 |
16K19455
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
頼 冠名 岡山大学, 大学病院, 助教 (40729092)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | siRNA / EGFR-TKI |
研究実績の概要 |
EGFR siRNAの肺癌細胞株の効果についてあらかじめ得られた実験結果に対して再度追試を行った.対象細胞株については従来おこなっていたPC9,RPC-9(人為的な耐性株),H1970(自然に耐性を獲得した株)に加え,生存率の低かったマイコプラズマ感染のあったNCI-H3255に対する効果について,再度入手したマイコプラズマフリーのH3255に対してsiRNAの効果を評価した.著明な増殖抑制効果をEGFR siRNAで確認し,RT-PCRにおける変異EGFR RNAの抑制効果,Western blotにおけるEGFR蛋白抑制効果についてはいずれも明らかであり,従前施行した研究結果と食い違いを見せなかった.したがって,既報にあるEGFR oncogene addictionについては臨床的にも基礎研究的にも確実に存在し,これはEGFR TKIの長期投与による耐性化をきたしたのちも,また耐性発生の機序が人為的であっても自然発生であっても腫瘍増殖に重要な役割を果たし続けていることが証明された.岡山大学にて特許を取得したヒトEGFR L858Rをもつ遺伝子改変マウスについては再度系統を産生するよう整備を行い,系としての成熟を維持している.腫瘍の形成速度について評価し,薬剤投与に耐えうるか検討をおこない,問題はなかった.薬剤送達システム(DDS)についてはCALTECHで用いられているシステムをやはり採用する方針であり,そのシステムの代謝についてはCALTECHで安全性を評価したところである.次年度に向けたDDSについての評価法(電子顕微鏡)などについては,医学部の共同実験室の協力が必要であり,その使用法について検討中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験結果によってはCALTECHでのドラッグ・デリバリーシステム(DDS)の再購入が必要な状況である.
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今後の研究の推進方策 |
CALTECHで直接カンファレンスを行いDDSの再購入とその効果確認について適切な確認方法を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究目標はin vitroの研究でありマウスモデルの再構築を待つ必要があった.
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次年度使用額の使用計画 |
CALTECHとの研究ミーティング,in vivoの実験に使用する予定である.
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