研究課題/領域番号 |
16K19459
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
角 俊行 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60772291)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肺腺癌 / KRAS / survivin |
研究実績の概要 |
札幌医大肺癌データベースを使用し、肺腺癌の手術検体を検討したところ、Kras陽性肺腺癌はTTF-1陽性、E-cacherin陽性の比較的分化度の高い上皮型が多いことがわかった。Kras変異陽性、TTF-1陽性の肺腺癌細胞株H358、H441を用いて、survivin knockdownを行った。survivin knockdownにより2つの肺癌細胞株はapoptosisが促進し、増殖は顕著に抑制された。しかし生存する癌細胞の総数を治療介入開始時点よりも低下させることができず、survivin knockdownのみでは有効な治療法とはなり難いと考えられた。 survivin knockdownにより細胞形態は扁平・膨張化しp21が上昇、細胞周期がG2/Mで停止することがわかった。分裂障害による2倍体のG1/Sでの停止と考え、細胞老化様の細胞に対しアポトーシス促進薬であるABT-263を用いた。またsurvivin knockdownによってリン酸化ERKが上昇していた。KRASの下流であるMEKに対して、MEK阻害薬を投与することによりviable cellを減少させることができた。 またABT-263、MEK阻害薬の併用によって、より生細胞数を減少させることができた。これらの事象は平面dishにおける2D培養系のみならず、生体内の微小転移をモデルとしたmatrigel上での微小スフェロイドの3D培養でも同様の結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
survivinと併用することにより、相乗的にKRAS陽性肺腺癌細胞株の生細胞数を減らす薬剤を見出したため、申請時の期間内目標をおおよそ達成している。
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今後の研究の推進方策 |
マウス治療モデルを使用したSurivin発現抑制による治療効果のin vivo解析を行う。 札幌医大肺癌データベースを使用し、survivin蛋白の発現量と肺腺癌症例の術後経過の相関をKaplan-Meire法で解析する。具体的には同データベースの全症例の肺癌組織を含むtissue microarrayを対象に免疫組織化学的にsurvivin蛋白発現の有無、発現量を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進み予定していた物品購入がなくなったため、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度分を次年度に追加使用することにより、実験動物や実験試薬の購入に活用出来る。
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