研究課題
EGFR遺伝子変異肺癌細胞株、ALK融合遺伝子変異肺癌細胞株を免疫不全マウスに皮下移植するxenograft modelの作成を試みた。薬物動態の解析のために採取可能なサイズの皮下腫瘍が形成されることを確認した。マウスに分子標的薬を投与し、その後の糖代謝の動態を評価するために適切な薬物投与期間および投与後の腫瘍検体採取時間について検討した。薬物投与期間、検体採取時期についてはいくつかのタイムコースを設定し、得られた検体をimaging mass spectrometryで解析するために検体保存した。また、ヒト検体での腫瘍内代謝についての検討も予定しているが、解析するためのバイオバンク(患者からの肺癌切除検体のライブラリー)の構築も更に検体集積が進んでいる。
2: おおむね順調に進展している
解析を行うためのマウスモデルの作成、ヒト検体(バイオバンク)の構築が進んでおり、解析する検体については目途が立ちつつあり、Imaging mass spectrometryの解析が問題なくすすめば代謝動態の検討について明らかにすることが可能と考えている。
腫瘍内代謝を解析するためのマウスモデルの作成に成功したため、今後は各種分子標的薬の投与後に得られた検体を実際にImaging mass spectrometryで解析を行い、腫瘍内代謝を可視化できるか確認する。可視化に成功した場合は薬剤投与スケジュールによる影響、薬剤別の影響(血管新生阻害薬の影響)など代謝の変化について検討する。また、患者から得られた肺癌切除検体についてもimaging mass spectrometryを試み、実際のヒト検体における代謝についても平行して検討していく。これらの検討結果から分子標的薬投与に伴う腫瘍内代謝の影響について明らかにしていく予定である。
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Cancer Research
巻: 77 ページ: 2078-2089
10.1158/0008-5472.CAN-16-2359.