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2016 年度 実施状況報告書

薬剤性腎障害の新規治療戦略:メガリンを標的とした予防・検査法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19480
研究機関新潟大学

研究代表者

青木 信将  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60646933)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードメガリン / 薬剤性腎障害 / コリスチン / バンコマイシン / シスプラチン / シラスタチン
研究実績の概要

本研究の目的は、薬剤性腎障害について、近位尿細管上皮細胞に発現するメガリンの関与を明らかにし、メガリンをターゲットとした、薬剤性腎障害の新しい予防法及び検査法を開発することである。
水晶発振子マイクロバランス法を用いて、メガリンと腎障害薬物との物理的結合の解析を行った。その結果コリスチン、バンコマイシン、シスプラチンとメガリンとの結合が認められ、さらに新たなメガリンリガンドであるシラスタチンにより競合阻害されることが見出された。
モザイク型腎特異的メガリンKOマウス(ApoE-cre)を用いて、メガリンの発現と腎障害の関連を解析した。コリスチン、バンコマイシン、シスプラチンいずれにおいても、メガリン発現部位に一致した尿細管障害が認められ、メガリンが腎障害の一因となっていることが明らかとなった。
これら薬剤による腎障害については、シラスタチンの同時投与を行うことで、尿細管障害が軽減することもマウスモデルで確認を行っている。メガリンに対して競合阻害を行うことで、腎毒性薬物のメガリンを介した尿細管取り込みが減少し、尿細管障害が軽減したものと考えられる。シラスタチンは、コリスチンやバンコマイシンの抗菌活性に影響しないことも同時に明らかとなっており、腎障害軽減薬として臨床応用が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腎毒性薬物とメガリンとの結合の確認、マウス薬剤性腎障害モデルを用いたメガリンによる腎障害発症機序の解析、シラスタチンによる腎毒性軽減効果の確認など当初の計画以上の進展が認められた。一方、腎障害の新規検査法の開発として尿中メガリンの解析を行っているが、症例集積がいまだ不十分な状況となっている。総合的に概ね順調な進展と判断した。

今後の研究の推進方策

研究計画に沿って、概ね順調に進展がみられており当初の計画通りに研究を推進していく。薬剤性腎障害症例の集積については、対象を拡大して症例の解析に当たる方針。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Megalin Blockade with Cilastatin Suppresses Drug-Induced Nephrotoxicity2017

    • 著者名/発表者名
      Hori Y, Aoki N, Kuwahara S, Hosojima M, Kaseda R, Goto S, Iida T, De S, Kabasawa H, Kaneko R, Aoki H, Tanabe Y, Kagamu H, Narita I, Kikuchi T, Saito A
    • 雑誌名

      J Am Soc Nephrol

      巻: 28(6) ページ: 1783-1791

    • DOI

      10.1681/ASN.2016060606

    • 査読あり
  • [学会発表] 耐性菌感染症の新たな治療法の探索 抗菌薬腎障害の機序解明と予防法の開発2016

    • 著者名/発表者名
      青木信将
    • 学会等名
      第90回日本感染症学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-04-15 – 2016-04-16
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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