抗菌薬や抗腫瘍薬による腎障害は臨床上の問題となっている。しかし、腎障害を生じる機序は不明な点が多く、その予防方法や検査方法も確立していない。我々は腎尿細管に発現するメガリンに着目し研究を行った。研究の結果、コリスチン、バンコマイシン、ゲンタマイシン、シスプラチンなどの薬物はメガリンと特異的に結合し、尿細管に取り込まれ蓄積することで尿細管障害を生じることを見出した。またシラスタチンは上記薬剤に対するメガリン結合の拮抗薬として働くことが認められ、動物モデルで腎障害軽減作用が確認された。臨床例においても効果を示唆する結果が認められている。
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