研究課題
高齢での腎機能低下のメカニズムとして、klothoの発現低下、オートファジーの低下、ミトコンドリア機能低下、線維化が言われているがその機序は不明な点が多い。本研究は、「加齢に伴う腎機能低下、CKD/AKIの予後の悪化の機序解明」を研究目的とする。具体的な目標としては、klotho-TGマウスとオートファジーがモニター出来るLC3-TGマウスを掛け合わせ、klothoとオートファジーの関連と、CKD/AKIの病態にもたらす影響を検討し、さらに加齢に伴うミトコンドリア機能低下へのklothoとオートファジーの関与を検討する。高齢での腎機能低下のメカニズムとして、klothoの発現低下、オートファジーの低下、ミトコンドリア機能低下、繊維化がいわれているが機序は不明な点が多く、それらについて下記を検討、学会報告した。炎症性腸疾患のバイオマーカーとしての報告があるLeucine-rich α-2 glycoprotein (LRG)は糖鎖付加蛋白であり、急性腎障害(AKI)での役割は不明である。LRG欠損マウス(LRG-KO)を用いたAKIの予後の検討、AKI患者尿と腎生検検体を用いてLRGの役割を検討した。LRGはAKIにおいて尿細管で発現亢進し、LRG-KOマウスではAKIの予後は改善することがわかった。AKI患者尿での検討ではLRGが増加しておりLRGがAKI診断・予後予測の新規バイオマーカーになる可能性が示唆された。αKlothoについては、CKD患者において心血管イベントの予後予測因子である血中NTpro-BNP、また心筋障害のマーカーである血清トロポニンTが血清遊離型αKlothoと負の相関を示し、血清遊離型αKlothoが低い症例は心機能が低下している可能性が示唆され、CKD患者において血清遊離型αKlothoが心機能障害の予測マーカーとなる可能性が示唆されることを学会報告しており、今後論文作成予定である。
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