長崎大学でIgA腎症と診断された464例を検討した。一般にλ鎖が優位とされるが、非優位な症例が約1/3含まれていた。λ鎖非優位例では、電子顕微鏡写真で上皮下にデポジットを認める症例の割合が高く、中にはhump様の構造物を認めるものも含まれていた。さらに、管内細胞増多を呈する症例も多く、感染関連腎炎に特徴的な所見を有しているものと考えられた。IgA腎症と診断された症例はヘテロな集団と考えられ、症例毎に治療法を吟味する必要がある。軽鎖染色は非典型的なIgA腎症のスクリーニングに有効と考えられ、他の病理所見とも合わせて総合的に治療法を判断するツールになるものと考えられた。
|