トランスサイレチン(TTR)アミロイドーシスはTTRを前駆タンパクとする致死的な全身性アミロイドーシスである.病理学的解析により,TTRアミロイド沈着が病初期よりイオンチャネルが豊富に存在する心筋横細管組織を中心に沈着し,TTRアミロイド沈着量とカルシウムチャネル量の減少が相関することが明らかとなった.心筋培養細胞系および蛍光カルシウムイオンプローブを用いた解析により,TTRアミロイド線維がカルシウムイオンチャネル機能を障害する可能性が示された.細胞外マトリックスのTTRアミロイド線維によるイオンチャネル障害がTTRアミロイドーシスの細胞障害,臓器障害において重要な病態であることが示唆された.
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