研究課題
健常者研究で固まった介入プロトコルを用い、脳卒中最重度上肢麻痺患者を対象に10日間の末梢神経電気刺激併用運動イメージ訓練を行い、前後で運動麻痺の重症度(Fugl-Meyer上肢項目)、相反性抑制を評価する。対象は重度の上肢運動麻痺を有する慢性期脳卒中片麻痺患者10名(59.8±9.6歳)。男性7名、女性3名、脳出血5名、脳梗塞5名。対象者には麻痺側手指の伸展運動を筋感覚的に想起させ、同時に橈骨神経に対して10 Hz の電気刺激を与えた。上肢運動機能の臨床学的評価として、Fugl-Meyer Assessments の上肢運動項目(FMA-UE), Motor Activity Logの使用頻度に関する項目 (MAL-AOU) を用いた。神経生理学的評価として、前腕伸筋から屈筋への相反性抑制(Reciprocal Inhibition; RI)を測定した。RIの評価では,条件刺激を橈骨神経,試験刺激を正中神経刺激に行い,橈側手根屈筋より得られるH波を測定した。試験-条件刺激間隔 (ISI) は0,20ms, 100msの3条件とした。統計学的解析として、介入前後のFMA-UEおよびMAL-AOUについてウィルコクソンの符号付順位検定を行った。有意水準は0.05とした。FMA-UEは20.0±6.4点から25.5±6.4点と有意に改善を認め、MAL-AOUも6.4±3.5点から9.8±4.6点と有意な改善を認めた。相反性抑制も有意に増強を認めた。
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Exp Brain Res.
巻: 236 ページ: 207-213
10.1007/s00221-017-5119-9.