研究課題
疾患iPS細胞を含めてパーキンソン病(PD)の病態研究は盛んに行われているが、何が根本原因で、なぜドパミン神経が特異的に傷害されるかは未だ解明されておらず、治療法も根本治療にとどまっている。本研究計画では複数の遺伝性パーキンソン病(PARK2/4/6/8/9/22)患者由来iPS細胞を用い、独自に改良した方法により純度の高いドパミン神経細胞および運動神経細胞を分化誘導し、種々のストレスを負荷することでドパミン神経特性の原因にも迫ろうとするものである。平成28年度までに、PARK4患者サンプルからiPS細胞を樹立、PARK2/6-iPS細胞由来ドパミン神経におけるマイトファジーおよびミトコンドリア異常の検出法確立、より高純度のドパミン神経誘導方法確立を行い、ドパミン神経特異的なミトコンドリア異常検出を国際誌に報告した(Biochem Biophys Res Commun 2017)。平成29年度においては、PARK9-iPS細胞由来ドパミン神経細胞におけるオートファジー異常、PARK4/22-iPS細胞由来ドパミン神経細胞におけるアルファシヌクレインタンパク質の蓄積などを確認し、検出法を確立することができた。さらには、PARK2/6-iPS細胞由来ドパミン神経において、ドパミン神経特異的なリン酸化ユビキチン化シグナル異常を見いだし、国際誌に報告することができた(Hum Mol Genet 2017)。
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Human Molecular Genetics
巻: 26 ページ: 3172-3185
10.1093/hmg/ddx201