多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)の病態への腸内環境の関与が言われてきているが、その機序は分かっていない。本研究では、腸管ホーミングレセプターCCR9+CD4+メモリーT細胞(CCR9+Tm)に着目した。加齢と腸内細菌によってその頻度が変化するCCR9+Tmが、二次進行型MSでは減少しており、その炎症保護的フェノタイプが炎症性Th17に偏移していることを明らかにした。CCR9+Tmは、MSの炎症制御に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。CCR9+TmのSPMSの診断マーカーや治療標的としての応用が期待される。
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