ポドサイト特異的遺伝子であるR3hdmlの糖尿病性腎症に対する役割を解明することを本研究の目的とした。培養ポドサイトを用いた検討において、R3hdmlはMAPKのうちp38MAPKのリン酸化抑制を介しポドサイトのアポトーシスを抑制していることが明らかとなった。またR3hdmlノックアウトマウスでは糖尿病腎症に特徴的な糸球体基底膜・ポドサイト足突起の変化が観察され、糖尿病を惹起するとアルブミン尿が増加した。さらにR3hdml過剰発現マウスは糖尿病状態において、同条件の野生型に比べて尿中アルブミン排泄が減少した。以上より、R3hdmlは糖尿病腎症の進展に保護的働く因子である可能性がある。
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