Fat ROS増加マウス(脂肪細胞特異的Catalase/Sod1共発現マウス)、Fat ROS減少マウス(脂肪細胞特異的グルタチオン合成酵素欠損マウス)における前年度までのデータより、Fat ROSがSrebp1の転写活性を抑制し、脂質合成を抑制する事により、脂肪組織のhealthy expansionを抑制し、脂肪肝やインスリン抵抗性を改善する事が明らかとなっていた。本知見をDiabetes誌に投稿した所、追加実験の指示を受け、以下の実験を行った。 Fat ROS増加マウス、Fat ROS減少マウスに関し、過酸化水素の測定や酸化蛋白の評価を行った。その結果、Fat ROS増加マウスでは過酸化水素及び酸化蛋白が増加しており、Fat ROS減少マウスでは過酸化水素が減少していた。 Fat ROS増加マウス、Fat ROS減少マウスの脂肪組織におけるM1/M2マクロファージの変化をFACSにおいて検討した。脂肪組織をfractionationし、得られたstromal vascular fractionを、F4/80とCD11bでソーティングし、脂肪組織マクロファージを同定後、CD11cをM1マーカー、CD301をM2マーカーとして比率を検討した。その結果、Fat ROS増加マウスではM1マクロファージ優位に、Fat ROS減少マウスではM2マクロファージ優位となっていた。 また、これらの脂肪組織において脂肪組織線維化を評価した。Picrosirius染色を行い、定量を行った所、Fat ROS増加マウスでは線維化が亢進し、Fat ROS減少マウスでは線維化が減少していた。 以上の知見は、脂肪組織のhealthy expansionを支持するものであり、再投稿を行い、Diabetes誌に受理された。
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