直接的に充分な効果と安全性を備えた抗肥満薬は存在しない。しかしながら、肥満は世界的に増加傾向にあり、その進展に伴って心血管疾患や2型糖尿病などの肥満関連疾患の増加、それらによる健康寿命の短縮、医療経済的負担の増加など、様々な問題が生じる。我々はメタボリックシンドロームなどとの関連が示唆される新たな生理活性因子であるアンジオポエチン様タンパクファミリーの一つであるAGF(angiopoietin-related growth factor)に着目し、これまでAGFの抗肥満作用を明らかにしてきた。本研究ではAGFの抗肥満作用の機序と、寿命延長に対する効果について検討した。
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