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2017 年度 実績報告書

インスリン受容体およびIGF-1受容体阻害後の膵β細胞、肝臓、脂肪組織の回復機構

研究課題

研究課題/領域番号 16K19542
研究機関横浜市立大学

研究代表者

富樫 優  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (10710444)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード膵β細胞 / 脂肪 / 脂肪肝 / インスリン抵抗性
研究実績の概要

インスリン受容体・IGF-1受容体遮断薬であるOSI-906投与モデルを用いて、インスリン抵抗性下および解除後の膵β細胞、肝臓、脂肪組織の可塑的変化の分子機構を解析した。
OSI-906投与により、膵β細胞では、インスリン抵抗性下における代償性増殖に重要とされているCyclinD2発現に変化はみられず、CyclinA2、 CyclinB1、CylinB2、CyclinE2、Foxm1の発現が上昇した。また、脂肪組織では、脂肪分解に関与するAtgl、Lpl発現の亢進、レプチン発現の低下を認め、肝臓では、脂肪酸トランスポーターであるCD36発現の亢進を認めた。上記の各臓器における遺伝子発現変化は、いずれもOSI-906投与中止後に対照群と同等となった。以上より、OSI-906投与モデルにおける膵β細胞の増殖機構は、インスリン/IGF-1に非依存的な経路が示唆された。また脂肪組織ではOSI-906投与により脂肪分解が亢進し、肝臓では脂肪酸取り込みが亢進していることが示唆された。次に、このOSI-906投与モデルマウスに、脂肪萎縮糖尿病の治療薬として用いられているレプチンや経口糖尿病薬のDPP-4阻害薬およびSGLT-2阻害薬を投与した際の代謝・組織変化を解析した。前二者では、肝臓の脂肪化を改善し、後者では耐糖能の改善および膵β細胞量の増大効果を認め、いずれもインスリン/IGF1に非依存的な臓器特異的作用を有する可能性が示唆された。さらに、インスリン受容体基質であるIRS-2の欠損マウスおよび野生型マウスにOSI-906またはVehicleを7日間投与したところ、IRS-2欠損マウスにおいてもOSI-906投与によって野生型マウスと同等に、膵β細胞量および膵β細胞増殖は有意に増加した。以上より、OSI-906による膵β細胞増殖は、IRS-2非依存性の経路を介していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Metabolic recovery of lipodystrophy, liver steatosis, and pancreatic β cell proliferation after the withdrawal of OSI-9062017

    • 著者名/発表者名
      Tajima Kazuki、Shirakawa Jun、Togashi Yu、Yamazaki Shunsuke、Okuyama Tomoko、Kyohara Mayu、Konishi Hiromi、Terauchi Yasuo
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 4119

    • DOI

      10.1038/s41598-017-04304-5

    • オープンアクセス
  • [学会発表] インスリおよびIGF-1 両受容体阻害薬 OSI-906による 膵 β細胞増殖におけるIRS-2の役割2017

    • 著者名/発表者名
      後藤 希実、白川 純、奥山 朋子,田島 一樹、寺内 康夫
    • 学会等名
      日本糖尿病・肥満動物学会

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公開日: 2018-12-17  

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