インスリン受容体・IGF-1受容体遮断薬OSI-906投与モデルを用い、インスリン抵抗性下および解除後の膵β細胞、肝臓、脂肪組織の可塑的変化の分子機構を解析した。 OSI-906投与により、インスリン/IGF-1に非依存的な膵β細胞増殖、内臓脂肪の著明な萎縮、脂肪肝を認め、OSI-906投与中止後に対照群と同等となった。本モデルでは、脂肪萎縮糖尿病の治療薬として用いられるレプチンや経口糖尿病薬のDPP-4阻害薬の投与は、脂肪肝を改善し、経口糖尿病薬SGLT-2阻害薬の投与は耐糖能の改善および膵β細胞量の増大効果を認め、インスリン/IGF-1に非依存的な臓器特異的作用を有する可能性が示唆された。
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