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2016 年度 実施状況報告書

骨髄異形成症候群における分化誘導因子KLF4の機能解明と新規抗癌治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19573
研究機関京都大学

研究代表者

森田 剣  京都大学, 医学研究科, 研究員 (50757557)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード骨髄異形性症候群 / 急性骨髄性白血病 / KLF4 / DPYSL2
研究実績の概要

骨髄異形成症候群(MDS)及び急性骨髄性白血病(AML)における分化誘導因子としてのKLF4の役割を解明するため、In silico, In vitroの実験を中心に行った。結果、MDS及びAMLにおいて、KLF4の下流において分化誘導に決定的に重要な因子DPYSL2の同定に至った。DPYSL2を抑制した細胞株ではKLF4による分化誘導は惹起されず、DPYSL2を過剰発現した細胞株では強力な細胞抑制効果が認められた。大変興味深いことに、DPYSL2のisoform 1~5のうち、この効果をもたらす分子はisoform 1のみであった。Isoform 1はDPYSL2のisoform familyの中で最も長い分子であり、isoform 2と比べてN末端に数十アミノ酸の付加を持つ。現在この部分のアミノ酸配列がタンパク構造に与える影響を検討中である。さらに、KLF4及びDPYSL2の誘導を促進する化合物を低分子化合物ライブラリーよりそれらの遺伝子のプロモーター活性を測定することでスクリーニングしている。現時点で30種類程度の候補化合物を得ている。この候補化合物のうちいくつかは同じような機能を持つことが事前に明らかになっている化合物であり、スクリーニング系の精確さと、該当化合物が有望な候補であることが期待される。これまでの結果は2016年米国血液学会で一部発表しており、Abstract Achevement Awardを受賞している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成28年度に実施予定だった実験内容は概ね当初の予定通りに終了し、さらに平成29年度に実施予定だった薬物スクリーニングについても2回のスクリーニングを現時点までに終了している。これまでの研究内容も海外学会にて発表する機会を得、当初の計画以上に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は薬物スクリーニングで得られた化合物が実際にMDSやAMLの治療に役立てられるのかをマウスを使った実験を中心に行う。具体的には、免疫不全NOGマウスに細胞株MOLM-13を移植し、MDS/AMLマウスモデルを作成する。そのマウスモデルに該当化合物を投与し、生存期間の延長効果があるかどうか、生体における忍容性はどうかを検証する。

次年度使用額が生じた理由

薬剤スクリーニングの実験系について研究室保有の既存の実験系に乗せて実施できたことから研究費の出費の抑制につながった。ただし、今回のスクリーニングで用いた薬剤ライブラリーはその後のvalidationや生体での効果判定のために使用するには量的に不足しているため、それらの薬剤追加購入費が必要である。

次年度使用額の使用計画

本研究を完遂するため、薬剤ライブラリースクリーニングより得られたHIT化合物に関して追加で薬剤を必要量購入し、本研究の目的であるMDS/AMLに対する新規治療法の確立を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Deciphering the function of KLF4 as a differentiation inducer in hematologic malignancies.2016

    • 著者名/発表者名
      Ken Morita, Hiroki Kiyose, Shintaro Maeda, Kensyo Suzuki, Chieko Tokushige, Yoshimi Yamada, Soichi Adachi and Yasuhiko Kamikubo.
    • 学会等名
      58th American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting and Exposition.
    • 発表場所
      San Diego, CA, USA
    • 年月日
      2016-12-04
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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