骨髄異形性症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄中の造血幹細胞や未熟な骨髄系細胞に何らかの遺伝子変異が入ることで発症する代表的な悪性造血器腫瘍である。その中でも特に現行の治療では根治が難しい患者さんを対象に、新規治療薬の開発を目的として本研究を行った。我々はKLF4という遺伝子の発現を増強することで、骨髄中の未熟な悪性細胞を分化誘導し自己増殖能を失わせるという事実に基づき、このような作用を持つ薬剤の同定とそのメカニズムに分子生物学的手法で迫った。本研究により、我々はKLF4を増強する薬剤候補の同定に至り、現在その薬剤を用いた国内治験に向けて準備している段階である。
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