血小板は、止血機能を担うだけでなく、脳心血管障害の原因となる血栓の形成や種々の炎症の制御、また腫瘍の病態に関与していることが明らかになってきており、近年注目されている細胞である。しかしながら、血小板やその産生細胞である巨核球が、造血幹細胞からどのような機構で分化し、また病態に寄与するのかは不明な点が多い。我々は、本研究を通じて、ヒト骨髄において造血幹細胞がその多分化能を失い、巨核球・血小板系統に分化する最も上流の細胞集団=巨核球前駆細胞を同定した。また、この巨核球前駆細胞が、骨髄増殖性腫瘍と呼ばれる造血器腫瘍の病態に強く関与していることを明らかにした。
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