研究課題
まず、滑膜線維芽細胞を様々な濃度、時間のIFNgammaで刺激し、細胞表面上にMHC class II分子が高発現する条件を抗HLA-DR抗体を用いたフローサイトメトリー法により検討したところ、IFNgamma 100 U/ml、72時間の刺激により細胞表面上にMHC class II分子の強い発現が確認され、滑膜線維芽細胞の抗原提示能が示唆された。また、滑膜線維芽細胞を様々な濃度、時間のプロテアソーム阻害剤MG132で刺激し、オートファジーが誘導される条件を抗LC3抗体を用いたウェスタンブロット法により検討したところ、濃度、時間依存的にLC3-IIの発現上昇が確認され、滑膜線維芽細胞においてオートファジーを誘導する系を確立した。次に、関節リウマチにおける自己抗原と考えられるシトルリン化ビメンチンが滑膜線維芽細胞に存在することを確認するため、滑膜線維芽細胞の溶解液を抗ビメンチン抗体、抗シトルリン抗体、抗シトルリン化ビメンチン抗体陽性患者血清、抗シトルリン化ビメンチン抗体陰性患者血清をそれぞれ一次抗体として用いたウェスタンブロット法により検討したところ、前三者では検出され後者では検出されない54kDaのバンドが認められ、シトルリン化ビメンチンと考えられた。さらに、この抗シトルリン抗体により検出される54kDaのバンドはMG132の刺激により濃度依存的に増強し、滑膜線維芽細胞においてシトルリン化ビメンチンの発現がオートファジーの誘導により上昇していることが示唆された。
3: やや遅れている
滑膜線維芽細胞におけるMHC class II分子が高発現する条件の検討、オートファジーが誘導される条件の検討、細胞内シトルリン化ビメンチンの検出については当初の予定どおりであるが、平成28年度内の達成目標としていた細胞表面シトルリン化ビメンチンの検出が現在のところできていない。
細胞表面シトルリン化ビメンチンの検出感度を上げるため、HLA-DRB1 shared epitopeおよびビメンチンを強制発現させた滑膜線維芽細胞を現在作成中である。検出法が最適化され次第、細胞内シトルリン化ビメンチンの検出と同様に、オートファジーの誘導および阻害が与える影響を検討する。
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Oncotarget
巻: 7 ページ: 64221-32
10.18632/oncotarget.11890