メトトレキサート(MTX)は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を標的する葉酸代謝阻害薬として開発され、1950年代から急性白血病の治療に用いられてきた。その後、骨破壊の進行抑制作用を示すことがわかり、関節リウマチ治療の第一選択薬として広く用いられている。MTXの薬理作用は、複数の免疫抑制及び調節効果と考えられているが、DHFRに対する阻害効果だけでは薬効を全ては説明できない。本研究は免疫系におけるMTXの薬理作用の解明を目指し、MTXの新規標的タンパク質の探索と同定を行った。さらに、薬剤―タンパク質間相互作用解析を行い、同定した新規標的タンパク質とMTXとの分子間相互作用様式を明らかにした。
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