研究課題
RAGEノックアウト・ヘテロノックアウト・野生型C57BL/6を用いて、8週齢時にプリスタンを投与し、経時的に体重変化・アルブミン尿の評価を行っているが、既報の通りアルブミン尿は出現しておらず、RAGEノックアウトの腎臓への影響を組織学的に検討している。体重に有意な違いは認められなかった。今後は血清サイトカイン濃度や、腎組織の光学顕微鏡標本およびC3 やIgG の沈着について免疫蛍光染色法を用いて評価する。また腎臓、リンパ組織におけるErkやNFκBなどRAGE下流のシグナル分子やIFN signature の発現を評価する。間質性肺病変の評価も行う。また腹腔内に異所性リンパ節ができるので、構造的な相違がないかも検討する。一方でプリスタン投与早期に肺胞出血(血管炎)をきたし、死亡例も認められるため、生存率を評価しているが、今のところgenotypeによる有意な差は確認できていない。電子顕微鏡による肺血管炎の評価でも現時点ではRAGE有無による明らかな違いは認めていない。現在プリスタン投与1-2週後の肺を用いたフローサイトメトリーによる炎症細胞数の評価を行っている。今後は肺胞洗浄液の細胞数・サイトカイン濃度なども評価する予定である。またもう1つの研究としてRAGEノックアウトC57BL/6マウスと代表的なSLEモデルマウスであるMRL/lprマウスの戻し交配については、10世代目の作出が完了し、現在系統維持している。現在のところアルブミン尿に関しては有意な差を認めていないが、今後検体数を増やし組織学的な評価も行っていく。またリンパ組織のフローサイトメトリーによる評価も行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
プリスタンモデルについてはおおむね順調に推移している。戻し交配モデルに関しては仔が得られにくく、現在個体数を増やすよう努めている。
プリスタンモデルの組織学的評価、肺胞洗浄液の評価を行っていく。戻し交配モデルについては個体数を増やし、組織学的な評価を行っていく。
マウスが想定よりも増えなかったため。当初より3年間の計画であったため、予定通りの研究に使用する。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Mol Ther Methods Clin Dev
巻: 6 ページ: 31-39
10.1016/j.omtm.2017.05.006