研究課題
CD300aはアポトーシス細胞上のホスファチジルセリンをリガンドとしアポトーシスの制御に関わる免疫応答分子である。本研究では、CD300a陽性CD8陽性T細胞の機能的特徴、全身性強皮症病態におけるアポトーシス/CD300a基軸の役割を明らかにすることを目的とした。今年度に実施した研究では下記の知見を得た。1.CD300aの発現レベルを調整する因子として、TGF-βがCD8陽性T細胞活性化時のCD300a発現レベルを減弱しグランザイムB産生能を低下させることを見出した。2.紫外線照射でホスファチジルセリンを発現させたアポトーシス細胞とCD8陽性T細胞の共培養を行い、アポトーシス細胞共培養下ではCD300a発現レベル、グランザイムB産生が低下することを確認した。ホスファチジルセリン阻害剤存在下では効果は抑制され、CD300aシグナルはCD8陽性T細胞において抑制的に作用することを見出した。本研究を通じてCD8陽性T細胞におけるCD300aシグナルの機能および発現制御機構を明らかにした。またびまん皮膚硬化型全身性強皮症患者ではCD8陽性T細胞上のCD300a発現レベルが亢進しスキンスコアと正の相関を示したことから病態への関与も想定された。
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