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2017 年度 実績報告書

関節リウマチにおける破骨細胞と単核球・マクロファージサブセットに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K19606
研究機関長崎大学

研究代表者

福井 翔一  長崎大学, 保健・医療推進センター, 助教 (80770833)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード単球 / 破骨細胞 / 関節リウマチ / 抗CCP抗体 / IL-6 / 炎症
研究実績の概要

関節リウマチ患者40名と健常人20名で本研究を実施し、以下のような結果を得た。
1)関節リウマチ患者ではM1/M2比が破骨細胞数と強い相関を持っている。→M1単球そのものが破骨細胞へ分化しやすい可能性や、M1単球から産生されるサイトカインが破骨細胞分化が起こりやすい環境を作っている可能性が示唆された。 2)抗CCP抗体陽性のRA患者は陰性患者と比較して有意に高いM1/M2比を持ち破骨細胞も多い。→抗CCP抗体が破骨細胞分化を促す可能性や、M1単球を増加させている、もしくはM2単球を減少させている可能性が示唆された。 3)M1/M2比>1、すなわち、相対的にM1が多い患者では炎症所見が強い。→M1/M2比>1が関節リウマチの臨床的な疾患活動性のパラメータになる可能性が示唆された。 4)M2単球と比較して非M2単球は、リポポリサッカライド刺激によるIL-6の産生が多い。→M1がIL-6をしやすいことが、M1/M2比>1の患者で炎症所見が強いことの原因の一つであることが考えられた。 5)X線での骨破壊の有無とM1/M2比や破骨細胞数には有意な差異はみられなかった。→X線での骨破壊はM1/M2比や破骨細胞数に影響を与えないものと考えられた。 6)生物学的製剤の使用の有無とM1/M2比や破骨細胞数には有意な差異はみられなかった。→生物学的製剤の使用は、M1/M2比や破骨細胞数に影響を与えないものと考えられた。 7)多変量解析では、M1/M2比は抗CCP抗体やリウマチ因子とともに破骨細胞数に対して有意に影響する因子だった。
以上の結果から、単球には分化能やサイトカイン産生の異なるサブセットが存在していること、その背景として、関節リウマチの病因として重要であると考えられている抗CCP抗体が何らかの役割を果たしていること、末梢血M1/M2比が破骨細胞数に関与していることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] M1 and M2 Monocytes in Rheumatoid Arthritis: A Contribution of Imbalance of M1/M2 Monocytes to Osteoclastogenesis2018

    • 著者名/発表者名
      Fukui Shoichi、Iwamoto Naoki、Takatani Ayuko、Igawa Takashi、Shimizu Toshimasa、Umeda Masataka、Nishino Ayako、Horai Yoshiro、Hirai Yasuko、Koga Tomohiro、Kawashiri Shin-ya、Tamai Mami、Ichinose Kunihiro、Nakamura Hideki、Origuchi Tomoki、Masuyama Ritsuko、Kosai Kosuke、Yanagihara Katsunori、Kawakami Atsushi
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 8 ページ: 1958

    • DOI

      10.3389/fimmu.2017.01958

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A NOVEL CONCEPT OF M1 AND M2 MONOCYTES IN RHEUMATOID ARTHRITIS: PRO-INFLAMMATORY MONOCYTE POLARIZATION IMBALANCE, ANTI-CITRULLINATED PROTEIN ANTIBODY AND OSTEOCLASTOGENESIS2017

    • 著者名/発表者名
      Shoichi Fukui
    • 学会等名
      Annual European Congress of Rheumatology EULAR 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] A novel concept of M1 and M2 monocytes in rheumatoid arthritis; pro-inflammatory monocyte polarization imbalance, anti-citrullinated protein antibody and osteoclastogenesis2017

    • 著者名/発表者名
      Shoichi Fukui
    • 学会等名
      the 61st Annual General Assembly and Scientific Meeting of the Japan College of Rheumatology

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公開日: 2018-12-17  

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