研究実績の概要 |
175例の果物野菜アレルギー患者の血清を用いて、各種アレルゲンコンポ―ネントに対する特異的IgE抗体価を測定した。臨床背景に関するデータも集積した。 血清解析:IgE 抗体価を測定しているアレルゲンタンパク種は以下の14 種である。 ① 花粉由来アレルゲンコンポーネント:オオアワガエリ(rPhl p 1, rPhl p 5, rPhl p 12)ブタクサ(nAmb a 1)ヨモギ(nArt v 1)シラカンバ(rBet v 1, rBet v 4)スギ(nCry j 1)② 食物由来アレルゲンコンポーネント 6 種:大豆(rGly m 4), モモ(rPru p 1, rPru p 3, rPru p 4, nPru p 7)③ラテックス(Hev b 6.02)④糖差抗原(MUXF3_CCD) 臨床情報データベース作成:カルテレビューにより重要な臨床情報を得た。各種花粉や食物によるSkin prick testの結果、各種食物摂取時の誘発臨床症状や現在の摂取状況、喘息などのアレルギー疾患の合併状況、アレルギー性鼻炎の誘発症状季節などの情報を収集している。食物摂取時の症状は、食物ごとに、口腔に限局するアレルギー症状(いわゆる、口腔アレルギー症候群)、皮膚症状、消化器症状呼吸器症状、血圧低下とその関連症状、の有無について詳細に情報を得ている。さらに症状が誘発される食品の形態(新鮮な食品か、加工した食品か)についても情報を得た。以上、すべての血清データと臨床データをデータベース化して、解析用のデータセットを作製した。 結果:Pru p 1, Pru p 4, Pru p 7の陽性率はそれぞれ69, 30, 19%であり、これらの3つのアレルゲンがわが国の果物野菜アレルギーの3大アレルゲンと言える実態が明らかになった。現在、クラスター解析を行い、さらに詳細な解析を行っている。
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