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2016 年度 実施状況報告書

多白血球血漿を用いたβ-D-glucan測定による深在性真菌症診断法の新規開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19616
研究機関岩手医科大学

研究代表者

菅 重典  岩手医科大学, 医学部, 助教 (80633081)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード多白血球血漿 / エンドトキシン / 比濁時間分析法 / β-D glucan
研究実績の概要

HES製剤の最適量を検討しました。健常者全血液2mlに対し、HES製剤を様々な量加え20分静置し赤血球の沈降を観察したものです。HES製剤が1.5ml以上で上澄が採取可能でした。次にLRPの静置時間を検討しました。健常者全血液2mlに対してHES製剤を1.5mlを加えLRPを作成し、静置時間15分から40分までの血球の推移から、白血球は時間が経つにつれ減少していきましたが赤血球に関しては20分以降大きな変化は見られませんでした。検査試料としての適正条件として、迅速、操作が簡便、高い再現性を有するという3つが挙げられます。HES製剤各量、沈降時間を観察した際にHES製剤量1.0ml以下、15分以内では上澄がごくわずかで操作が煩雑となりました。最短時間で赤血球が最も沈降し、かつ白血球が最も浮遊しているところが最適であり、それは血液2mlに対しHES製剤量1.5ml、静置時間は20分となりました。
最後に偽性真菌血液と真性真菌血液のBDG量をPRPとLRPで比較しました。真菌を含まない偽性真菌血液ではPRP,LRPともに陽性値にはなるが有意差は認められませんでした。一方、真性真菌血液では血漿中のBDGのみならず白血球と結合・白血球に貪食された菌体成分も多く含むためLRPで有意に高値となったと考えられます。またPRPは陰性値であっても有意差を確認することで真菌血症と判断できうると考えます。以上よりLRP単独ではなくPRP法とLRP法でBDG量を同時に測定しBDGratioを算出することで、偽陽性を除外しさらに偽陰性を回避でき診断率の向上に寄与すると考えられます。以上が基礎研究による再実験、再確認された事項です。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記の基礎実験の論文を作成中であり、学会への報告等も今後行っていきます。また特許書類作成中であり、同時に特許申請も行っていきます。

今後の研究の推進方策

今後、臨床検体を用いてBDGratioのCut-off値を設定し感度・特異度の向上を確認していこうと考えています。臨床研究を行うにあたり、当施設の倫理委員会の承諾が必要なため、当初より計画の遅れております。

次年度使用額が生じた理由

基礎研究に使用する予定であった、試薬等の消耗品の当施設にある在庫が十分にあったことで、出費が抑えられた。また海外への学会へは参加していないこと。研究員に当施設の研究配属された学生をあてがったことにより出費が抑えられた可能性がある。

次年度使用額の使用計画

今年度は国際学会に参加し、特許出願や学会への遠征を計画している。また臨床研究における諸費用も必要になってくると考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 深在性真菌症における多血小板血漿を用いたWako法の新規測定法2017

    • 著者名/発表者名
      下山賢
    • 学会等名
      日本救急医学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2017-10-24 – 2017-10-26

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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