本研究課題では、疲弊抵抗性CAR-T細胞の開発を試み、代表的な慢性感染症であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症をモデルとして、その有用性を検討した。異なる共刺激シグナルドメイン(CSSD)を有するHIV特異的CAR-T細胞の機能および性状解析から、CAR-T細胞の創出におけるCSSDとして現在広く利用されているCD28や4-1BBと比べ、HVEMを有するCAR-T細胞は機能的・性状的に優れていた。さらに、疲弊化したCAR-T細胞の割合が少なく、疲弊抵抗的な性状を示していることが分かった。これらの結果から、CAR-T細胞の創出において、HVEM由来CSSDが有用であることが示唆された。
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