研究課題
若手研究(B)
肺炎マイコプラズマ感染症は約25%の頻度で肺外疾患と呼ばれる多彩な合併症を伴うことが知られており、この肺外疾患の発症には肺炎マイコプラズマの肺外責任部位への移行が関与すると考えられている。本研究ではその詳細なメカニズムについての検討を行い、結果として、肺炎マイコプラズマが上皮細胞のバリア機構を破壊せず、細胞間隙あるいは細胞内を通過することで肺外に移行することを明らかにした。
細菌学
肺炎マイコプラズマの感染経路は主に経気道飛沫感染であるが、呼吸器症状の有無によらず、肺外疾患においても同様に呼吸器が本菌の主要な侵入部位となると考えられている。そのため肺外疾患においても、気道上皮のバリア機構は肺炎マイコプラズマの最初の侵入障壁として機能しており、その通過メカニズムの解明は肺炎マイコプラズマによる肺外疾患の制御基盤の構築に不可欠であるといえる。本研究の成果はその一助となることが期待される。