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2016 年度 実施状況報告書

小児難治性ネフローゼに対するリツキシマブの作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19623
研究機関弘前大学

研究代表者

渡邊 祥二郎  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (80597196)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードSMPDL3b / 難治性ネフローゼ症候群 / リツキシマブ / 蛍光抗体法
研究実績の概要

腎糸球体podocyteにおけるSMPDL3bの発現を健常者と小児難治性ネフローゼ症候群6例の患者検体において蛍光抗体法にて染色し、比較したところ難治性ネフローゼ症候群(頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ症候群)患者において発現の低下を確認した。また健常コントロール群と難治性ネフローゼ症候群患者群における尿中SMPDL3b分子の排泄量の違いをdotblot法にて検出、比較したところ難治性ネフローゼ症候群患者では優位に排泄が低下していた。さらに難治性ネフローゼ症候群患者において、リツキシマブ投与前と投与後寛解中の尿検体を比較したところ、SMPDL3b分子の排泄がリツキシマブ投与後には増加している傾向が見られた。またpodocyteのスリット膜関連分子であるpodocinの尿中排泄には有意差は見られなかった。以上から小児難治性ネフローゼ症候群患者では腎糸球体podocyteにおけるSMPDL3b分子の発現と尿中排泄が低下していることが判明した。これらは、SMPDL3b分子の低下はスリット膜の異常とは独立した尿蛋白関連分子であることを示した新規の知見である。特に尿中SMPDL3b分子の排泄についてはリツキシマブ投与の効果の指標となる可能性があり、現在英文論文(pdiatric international)に投稿中であり、また平成29年度の日本腎臓病学会および日本小児腎臓病学会で発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腎生検標本上と尿中のSMPDL3b分子の発現、排泄に差があることを示した。検体数が少なかったため今後標本数を増やす必要がある。またSMPDL3b分子のpodocyteでの発現低下がなぜ尿蛋白をもたらすのか、あるいはなぜ難治性ネフローゼ症候群においてSMPDL3b分子の発現が腎糸球体上での発現が低下するのかの検討がこれからの課題として残っている。

今後の研究の推進方策

培養podocyteを用いてSMPDL3bのノックアウト後の細胞骨格の変化を蛍光抗体法、細胞骨格関連分子の発現解析、co-cultureシステムを用いた蛋白透過性試験等を行い、SMPDL3b分子がpodocyteの機能形態維持に必要であることを示す。またTLR3,7,9を介する自然免疫系の下流分子の発現解析を行い、SMPDL3bがpodocyteにおいても自然免疫を抑制的に制御しているかどうかを確認する。

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公開日: 2018-01-16  

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