本研究では小児難治性ネフローゼ症候群(NS)においてSMPDL3bの尿中排泄が疾患活動期に特異的に低下していることを世界で初めて明らかにした。さらにリツキシマブ(RTX)投与によりB細胞が枯渇しているにもかかわらず再発を繰り返す「リツキシマブ抵抗性」を示す患者では寛解期においてもSMPDL3bの尿中排泄が低下していることが判明した。一方ループス腎炎、IgA腎症においてはSMPDL3bの排泄は保たれていた。以上からSMDPL3bがNS疾患活動期に特異的に低下していること、RTXがSMPDL3b依存性に効果を発揮していることが示唆され、NSにおけるRTX反応性予測マーカー開発の足がかりが得られた。
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