研究課題
若手研究(B)
先天性大脳白質形成不全症を呈する家系で同定された,新規の疾患候補遺伝子変異を有する患者細胞の機能解析を行った。患者皮膚線維芽細胞において,ミトコンドリア内低分子RNA発現は低下していた。ミトコンドリア内RNAであるCox1とCox2間のスプライシング異常は本研究では確認されなかった。酸素消費量測定によるミトコンドリア機能解析で,患者細胞のミトコンドリア機能障害が示された。
小児科
多様な遺伝的背景を有する髄鞘化障害を示す疾患群では,これまでミトコンドリア内RNAの翻訳障害が原因とされる一群が知られていた。本研究は,髄鞘化障害を呈する患者の細胞のミトコンドリア内への低分子RNA輸送障害すなわちミトコンドリア内低分子RNA減少と,それに伴うミトコンドリア機能障害を示した。本研究により,髄鞘化障害を呈する疾患において既知の病態機序に加えて,ミトコンドリア内低分子RNAの不足に伴うミトコンドリア機能障害の関与が示唆された。