研究課題
自己炎症性疾患とその類縁疾患は、主に自然免疫にかかわる分子の遺伝子異常によって発症する。その中で、機能獲得型変異によって発症する疾患においては、ヘテロ変異のみならず、低頻度のモザイク変異でも発症し、一部の疾患は遺伝子欠失によって発症する場合もある。我々はこれまでもクリオピリン関連周期熱症候群などの自己炎症性疾患において、低頻度のモザイク変異で発症することを報告してきた。また海外から、クリオピリン関連周期熱以外の自己炎症性疾患においてもモザイク変異には発症する症例報告が相次いでいる。しかしながら、低頻度モザイクや欠失を検出する遺伝子解析システムは十分に確立されておらず、診断の遅れや患者QOLの低下を招いている。本研究では、分子バーコード法とマルチプレックスPCR、次世代シーケンシングを組み合わせて行うことで、自己炎症性疾患および類縁疾患において、低頻度モザイクと遺伝子欠失・コピー数異常の検出を可能とするパイプラインの構築を目指す。分子バーコード法によるアリル数の絶対定量とモザイク変異検出の実現のために、最も自己炎症パネル解析に適した、効率的な次世代シーケンシングライブラリー構築法を確立する。本研究において、低頻度モザイクの検出は可能であった。しかしながら、現時点で遺伝子欠失・コピー数異常の検出に関しては十分な検出感度が得られていない。引き続きADA2欠損症やA20ハプロ不全などにおいて、臨床レベルで遺伝子欠失・コピー数異常について検出可能な系の構築を目指していく。
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