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2016 年度 実施状況報告書

FLNA異常症の病態解明、診断法の確立、および新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19641
研究機関京都大学

研究代表者

河合 朋樹  京都大学, 医学研究科, 助教 (20631568)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード小児消化器病学
研究実績の概要

1)FLNA異常症の迅速診断法の検討、臨床像の評価
患者コホートをもつ専門家の協力によって、FLNA異常症疑い症例について、患者への説明・同意のもと遺伝子診断を行い、確定診断例の集積を行った。さらに血小板を用いたFLNAの免疫染色、および血小板形態評価を用いた迅速診断の有用性について併せて評価を行った。その結果、他研究施設の遺伝子診断にて検出できなかった巨大血小板性血小板減少症を伴うFLNA異常症女性患者について、研究協力者の國島信司の協力により血小板FLNAの免疫染色と血小板形態評価によりFLNA異常症としてすくい上げることができた。さらに研究協力者の小原收の協力により理化学研究所において行った遺伝子検査においてFNLA遺伝子異常を研究することができた。この結果はFLNA異常症の迅速診断法の有用性を支持した。
さらに海外のFLNA異常症担当医から低年齢時期に腸管症状が軽微であった男性患者が青年期になり、FNLA男性患者で知られる偽性腸管腸管閉塞を発症したとの報告をふまえ、かつて研究代表者が報告したFLNA兄弟例のフォローアップを継続した。その経過として、兄に発症したFLNA異常症としては未報告の炎症性腸疾患を弟例も12歳になって発症した。このことからFLNA異常症は炎症性腸疾患などの腸管合併症を長期的な経過で発症することが示され、これを文献において報告した。(Eur J Hum Genet. 2017 [Epub ahead of print])
2) 病態解析のためのFLNAノックインマウスモデルの解析
すでに作成しているエキソンスキップを認めた兄弟例と類似したFLNA変異を持つFLNA変異ノックインマウスの解析実験を続けた。ヘテロであるメスのマウスと異なり、オスのマウスの出生が順調で無く、解析に時間を要している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1)FLNA異常症の迅速診断法の検討、臨床像の評価
については、迅速診断法の意義を支持する結果を得られ、またFLNAの新たな臨床像を明らかにすることができたことから、想定通りの進捗が得られたと評価できる。
2) 病態解析のためのFLNAノックインマウスモデルの解析
については、マウスの継代に時間を要しており、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

さらにFLNA異常症の症例を蓄積し、その臨床像を明らかにし、FLEA異常症に対する適切な診療につなげていく。

次年度使用額が生じた理由

成果報告に記載したようにマウス解析にやや遅れが生じたため、それに配分する予算を翌年度の配分することが妥当と判断したため。

次年度使用額の使用計画

マウス解析の使用する。また患者臨床像において遅発型の消化管合併症の発症という、新規知見が得られたことからこれを深く解明するために使用することも検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Reply to Walsh et al.2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Kawai
    • 雑誌名

      European Journal of Human Genetics

      巻: - ページ: -

    • DOI

      doi: 10.1038/ejhg.2016.192.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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