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2016 年度 実施状況報告書

日本における驚愕病の臨床像の解明および病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K19645
研究機関島根大学

研究代表者

美根 潤  島根大学, 医学部, 助教 (80565234)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード疫学調査 / 遺伝子解析
研究実績の概要

1)驚愕病の疫学調査
全国の医療機関1394施設へ一次調査を行った。回収率は59%であり、うち症例の経験を有する施設は24施設(2.9%)であった。本年3月に症例の経験を有する施設へ二次調査を送付し、臨床像(家族歴、診断年齢、周産期歴、症状、その症状の発症年齢および消失時期、他覚所見、各種検査および画像所見、診断に至るまでの鑑別した疾患、治療およびその治療効果、リハビリテーション、遺伝子カウンセリングの有無、予後、現在の問題点など)についてアンケートをおこなった。現在、15施設より回答があり内容を解析中である。
2)驚愕病が疑われる症例について、全国から検体の提供を受け、本人あるいは家族の同意を得た後、グリシン作動性神経伝達系に関連する遺伝子(GLRA1,SLC6A5,GLRB)の解析をPCR法、SSCP法および直接塩基配列決定法などを用いて検索した。遺伝子変異も遺伝子量の異常も認めない症例に関しては、グリシン作動性神経伝達系に関与する他の遺伝子(SLC32A, SLC6A17など)について上記と同じ方法で検索を行った。28年度は 14症例の解析を行い、うち7例(GLRA1 遺伝子変異4例、SLC6A5遺伝子変異 3例)でグリシン作動性神経伝達系に関連する遺伝子異常を認めた。
3)疾患特異的iPS細胞の樹立については、我々の施設では正常健康人の線維芽細胞からiPS細胞を樹立し、神経細胞への分化が可能となっている。現在は正常健康人の血液検体のリンパ球からiPS樹立、神経細胞への分化を試みている。神経細胞への分化が確立すれば、患者検体から疾患特異的iPS細胞の樹立を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度の予定通り疫学調査、アンケート調査を行った。遺伝子解析、疾患特異的iPS細胞の樹立も並行して行っており、計画はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

1)驚愕病の疫学調査および臨床像の検討
平成29年度は、平成28年度で行ったアンケート調査を解析し、詳細な臨床像をまとめるとともに諸外国のデータと比較検討を行いその成果を全国学会等で発表する。
2)グリシン作動性神経伝達系に関連する遺伝子異常の解析
驚愕病と診断されたあるいは疑わしい症例について引き続き遺伝子解析を行う。上記1)のデータと比較し、遺伝子型と表現型との関連を検討する。
3)疾患特異的iPS細胞の樹立
疾患特異的iPS細胞の樹立及び神経細胞への分化を引き続き行う。

次年度使用額が生じた理由

実験資材等初期物品の購入のため、全国調査費用が不足したため一部前倒し請求を行った。実際の全国調査のための費用が、試算より少なかったため当該助成金が生じた。

次年度使用額の使用計画

本来次年度に使用予定であった、実験材料の購入等に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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