研究課題/領域番号 |
16K19651
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神野 俊介 九州大学, 大学病院, 助教 (60725919)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 無菌マウス / 突然死 / Folch法 |
研究実績の概要 |
未知の内因性Nod1リガンドがマウス体内に存在し動脈硬化の進展に関与するという仮説を証明するため、無菌環境という外因性Nod1リガンドのない状態において、Apoe KOマウスとApoe・Nod1 DKOマウスの動脈硬化病変を比較した。予備実験では、少数のマウスではあるものの、無菌環境においてもNod1 KOにより動脈硬化病変の軽減効果が見られていた。この現象の再現性を確認するために、Apoe KOマウスとApoe・Nod1 DKOマウスを無菌で飼育して動脈硬化病変を評価した。しかし、無菌状態飼育マウスの突然死が多く、各群2匹しか評価ができず、Apoe・Nod1 DKOマウスにおいてプラークが少ない傾向があったものの統計学的な有意差判定はできなかった。 一方、Apoe KOマウスのプラークや血管組織における内因性リガンドの検索のため、通常飼育下のApoe KOマウスから組織を摘出し、組織をホモジナイズして酢酸エチルで脂溶性、中間層、水溶性成分を分離した後(Folch法)、濃縮を行い、NOD1レポーター細胞で活性を測定した。しかし、いずれの抽出層の反応も、Null細胞における反応と有意な差はなかった。ポジティブコントロールを用いて、濃縮や脱塩などの過程を確認したが、濃縮や脱塩の過程を経ない方が活性は高いことがわかった。NOD1レポーター細胞の感度以下のリガンドしか抽出できていない可能性があり、元となる組織量を増やす必要があるかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
飼育中に突然死する無菌マウスが多く、評価ができていない。飼育環境に大きな変化はなく原因が特定できていないが、再度実験を行う。 抽出・濃縮の過程に問題がある可能性はある。あるいはHEK-Blue mNOD1 cellの感度以下のリガンドしか抽出できていない可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、無菌マウスの飼育を行う。 マウスから摘出する組織の量を増やし、ホモジナイズ、抽出、測定までの時間・条件に注意する。
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次年度使用額が生じた理由 |
従来より当教室で行っていた実験系であったため、既存の物品で賄うことが可能であった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後必要となる既存物品の補充、マウスの追加飼育に用いる。
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