免疫寛容に重要なFOXP3+T細胞の解明はアレルギー・自己免疫疾患の治療につながる。新生児のFOXP3+T細胞は質・量ともに出生前後に急速に変化をするが、その機序は不明な点が多い。本研究では、臍帯血の酪酸値とHDAC阻害能を測定し、新生児のFOXP3の発現との関わりを検証した。臍帯動脈血(UA)と、成人血液について、エピジェネティクスに関わる酵素を比較した所、HDAC11阻害能が成人に比べUAで著明に増強していることを発見した。HDAC11はFOXP3の発現を抑制することが報告されているため、新生児に認められるFOXP3の発現は高いHDAC11阻害能により惹起されている可能性が示唆された。
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