近年、低出生体重児の腎機能についての研究が進んでいる。しかし、これらの研究の主眼は糸球体障害に置かれている。腎機能において糸球体機能のみならず尿細管機能は重要であり、子宮内発育遅延が尿細管に及ぼす影響を、水チャネルであるAQP2を用い検証した。 子宮内発育遅延モデルラットを用い、尿細管機能を検討した。生後8週において尿浸透圧に有意差を認めなかったが、免疫染色による腎組織評価において尿細管のAQP2の発現が低下していた。これらの結果より、子宮内発育遅延が尿細管障害を引き起こすことや、濃縮力障害に先立ってAQP2の発現が低下している可能性が示唆された。
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