Pelizaeus-Merzbacher(PMD)病は先天性大脳白質形成不全症の代表的疾患であり、臨床的に生後から重度の精神運動遅滞を呈すが、10歳前後を堺に緩除に運動機能が低下する。この晩発性運動機能低下の原因として、髄鞘形成不全により神経細胞軸索エネルギー代謝異常を引き起こし、神経細胞体の変性がおこると考えられる。本研究はこの仮説を形態学、電気生理学、分子生物学的に実証することにより、髄鞘形成不全症モデルマウスの脳における神経細胞の変性と神経伝達の異常を確認された。この新規病態の解明は本疾患での二次的な症状の進行を予防する治療法開発のための基盤となる。
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