研究課題
本研究は1) 新生児マウスとヒト臍帯血を用いた microvesicles の早期産児における特徴の解析、2) マウスCLD モデルにおけるmicrovesicles の動態と病態生理に果たす役割の解析、3) CLD 症例の臨床検体を用いたmicrovesicles の動態解析を目指しており、本年度は1)と2)を中心に研究を進めた。平成28年度は2名の大学院生を迎え入れて研究チームを拡大。年度前半は主にヒトボランティア血液検体を用いてmicrovesicles (MV)の測定に関するFACS設定の調整と、多施設研究を見越した検体保存条件による影響の解析を行った。再現性のあるMV測定はin vivo検体においては技術的に困難を極めたが、国際共同研究者とのmeetingを日英で2回行って意見交換と技術提供を受けたこともあり、年度内での測定技術確立に成功した。高酸素チャンバーを用いたマウスCLDモデルの作成に関しても、病理学分野との共同研究の結果、組織学的に肺胞分化の未熟性が確認され、再現性のあるモデル確立に成功した。今後、この実験モデルにおけるMVの動態解析を行っていく予定である。HUVEC細胞を用いたバイオアッセイシステムに関しても取り組んでおり、pilot dataとして異なる由来のMVによるHUVECの活性化程度の違いなどを確認している。今後より実験モデルを改善してメカニズムについても研究を進める予定である。臍帯血などの臨床検体採取に関しては、研究アライアンスの中で議論を深めており、倫理審査に向けて現在最終調整中であり、平成29年度より採取を開始する予定である。
2: おおむね順調に進展している
予定されていた計画はほぼ順調に進められており、平成29年度には大学院生がもう1名加わって研究チーム拡大が予定されており、更なる研究の進捗も予想している。
平成29年度には大学院生がもう1名加わって研究チーム拡大が予定されており、更なる研究の進捗も予想している。
外部資金の獲得により、消耗品の出費が予想より少なかったことに加え、ヒトボランティア検体の実験が初期の中心となったため、当初の予想よりは動物実験に要する費用の発生が少なかった。
平成29年度に新規入学の大学院生がチームに加わること、実験モデルが確立されたために平成29年度の実験数は増えることが想定されることなどから、より多くの実験が行われ、消耗品や動物実験のコストも発生することが予想される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Thorax
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1136/ thoraxjnl-2016-208977
Frontiers in Immunology
巻: 8 ページ: -
10.3389/fimmu.2017.00128
救急・集中治療 多臓器不全 -その常識は正しいか?-
http://reins.tmd.ac.jp/html/100009240_ja.html