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2016 年度 実施状況報告書

幹細胞を用いた新生児慢性肺疾患に対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19683
研究機関名古屋大学

研究代表者

齊藤 明子  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50615276)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード慢性肺疾患
研究実績の概要

新生児慢性肺疾患(CLD)の新規治療法開発のため、CLDモデルに対し各種細胞を投与し、細胞移植の有効性について検討を行った。CLDモデルは新生仔ラットを使用し、生直後から日齢15まで80%酸素負荷を行うことで作製した。日齢5に、Muse細胞またはnon Muse細胞(各1×10^4 cells/個体)またはvehicleを右外頸静脈から投与し、日齢15に治療効果の評価を行った。治療効果の評価としては、肺組織評価として肺組織体積密度の測定を、心臓の肺高血圧変化評価として右室と心室中隔+左室の乾燥重量比(RV/LV+IVS)測定と肺動脈壁肥厚(medial wall thickness)測定を行った。
肺組織体積密度は、sham群40.77±0.45%、Muse投与群36.82±1.56%、non-Muse投与群32.96±1.17%、vehicle群34.11±1.46%と改善を認め、Muse細胞投与による肺胞破壊抑制効果が示された。RV/LV+IVSについては、sham群0.17±0.01、Muse投与群0.21±0.01、non-Muse投与群0.25±0.02、vehicle群0.24±0.01とMuse細胞投与による右室肥大の改善を認めた。medial wall thicknessは、sham群19.56±0.38%、Muse投与群23.51±0.99%、non-Muse投与群25.71±0.95%、vehicle群27.41±1.15%とMuse細胞投与による肺動脈の壁肥厚改善効果を認めた。
Muse細胞投与には、慢性肺疾患、およびそれに伴う肺高血圧症に対し治療効果があることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

来年度に予定していた肺高血圧に対する評価が本年度に施行できた。一方、本年度に予定していた投与後分布に関しての評価が出来なかったため。

今後の研究の推進方策

治療メカニズム解明のため、免疫組織学的染色やAlu Sequenceによる細胞の生着評価、血液・肺胞洗浄液を用いた生化学的評価、胸部CT検査による画像評価などを行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していたAlu sequenceが行えなかったため若干の残金を生じた。

次年度使用額の使用計画

来年度にAlu sequenceを行う。

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公開日: 2019-12-27  

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