雄ラットを離乳後の生後21-39日(人間の9か月-2歳に相当)に鉄量を10%量に制限する鉄欠乏(ID)群と普通食の対照(CN)群の 2群を研究対象とした。行動実験では、8および12週齢にて、ID群では総移動距離の週齢に伴う減少率が低く、ID群は成獣になってからも多動が残った。13週齢での脳内モノアミン定量では、dopamine(DA)代謝産物がPFC(前頭前皮質)およびNAcc(側坐核)において増加し、中脳腹側ではDAの低下が認められた。転写産物の解析では、NAccにおけるReelin遺伝子の発現がID群で減少し、免疫染色では、NAccのシナプス密度がID群で有意に増加した。
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