研究課題
今年度は、現在までに低酸素負荷を行った新生仔豚の脳組織に関し、GFAP、TUNEL染色を行い、その脳障害評価を行った。行動評価に関して、主観的な方法によるスコアリングに加えて、ゲージの中で動画撮影による20分間の移動距離の解析を行った。この結果、組織障害が強いものが、移動距離の長さは短く、組織障害が軽いものは、移動距離は長くなり、その回復も早い傾向がみられた。これは、低体温療法を行った豚では、非常に顕著にみられ、低体温を行ったものでは、大脳皮質運動野は障害の軽減は乏しかったのに対し、感覚野における脳障害の著しい軽減を認めた。
2: おおむね順調に進展している
脳障害重症度の評価判定としての病理組織学的評価を行い、その部位別の障害の程度や、染色による神経細胞の障害の有無を評価することができた。
上記の結果を踏まえ、負荷後の脳内酸素代謝消費率(CMRO2)が、これら病理組織学的脳障害や、神経学的予後とどのように関係するのかを今後明らかにする。具体的には、侵襲的に頭蓋骨に穴をあけ、洞静脈にカテーテルを留置し、脳内静脈Hb酸素飽和度を測定する。また、TRSによるの相対的脳血流量を算出し、ICGを投与することで得られる脳血流量と比較し、相対的CMRO2値が臨床でも応用できる指標として妥当なものかを検証する。
すべて 2017
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J Physiol
巻: 595 ページ: 6007 6021
10.1113/JP274244
巻: 595 ページ: 1289 1303
10.1113/JP273163