研究課題
若手研究(B)
本研究では、新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)における、その標準治療である低体温療法(TH)中の治療効果判定の指標として、脳循環酸素代謝変化である脳血液量(CBV)が有用であるかを、新生仔豚仮死モデルを用いて検証した。本研究結果では、CBV上昇が大きいものほど脳障害が重篤であったが、非THでは低酸素虚血負荷後のCBV増加が脳障害の重症度を反映したのに対し、TH群では、CBV減少が脳障害の重症度を反映した(Jinnai W, et al.Brain Dev 2018)。
新生児
本研究結果から、低体温療法は脳障害の重症度によって、治療効果が異なることが推測された。特に、重篤な脳障害の場合は、低体温療法が更に障害を増幅する可能性もある。このため、低体温療法中の脳血液量モニタリングにより、低体温療法中に脳血液量の減少が著明に認めるものについては、低体温療法だけでは予後改善が見込めない可能性が高い。