脳形成過程から成体において、ASPMが脳に及ぼす影響を明らかにするため、本研究ではAspm(マウスオルソログ)を脳特異的にノックアウトしたマウスを作製した。胎生16日目に大脳皮質の低形成がみられたが、細胞増殖、細胞移動に異常はなかった。脳形成過程で、Aspmをノックアウトした神経幹・前駆細胞では、神経分化制御の異常や脳室帯の未分化細胞、ニューロンを含めた分裂終了細胞のアポトーシスが有意に増加していた。これらの観察結果から、Aspmは神経幹・前駆細胞の形態の維持および分化後のニューロンの生存に必須であることが示唆された。
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