研究課題/領域番号 |
16K19691
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
熊本 隆之 奥羽大学, 薬学部, 講師 (00433558)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | X染色体不活性化 / DOHaD / バイオマーカー / 毒性学 |
研究実績の概要 |
妊娠2日齢のICR系マウスを購入、AIN93G基礎精製飼料を元に特注した葉酸添加飼料およびAIN93G基礎精製飼料群、ビスフェノールA(BPA)曝露群および非曝露群の組み合わせの計4群に分け、それぞれ飼育した。到着後1日馴化させた後、BPAはコーンオイルに溶解し、経口投与針を用いた強制経口投与を出生時まで連日行った。投与にあたっては毎回、体重を測定し行ったが、すべての日齢において群ごとの体重および体重増加率に有意な差はなかった。出生後は通常飼料に戻し飼育し、雌性出生仔を5、12日齢、7週齢時に解剖に供した。3日齢時点で全個体のチェックを行い、雌出生仔の葉酸・BPA投与群で体重の有意な増加を示したほか、肛門生殖器間距離(AGD)がBPA投与群、葉酸・BPA投与群で有意な短縮を認めた。葉酸・BPA投与群の体重増加は雌出生仔において5日齢解剖時でも見られたが、その後は消失していた。一方、雄出生仔では15日齢、3週齢時点ともに有意に増加しており、現在、成熟に伴う変化を追跡している。解剖時の臓器重量について一貫して変化の認められたものはなかった。飼料は毎回計量して与えて摂食量を調べ、妊娠0-1週、1-2週、2週~出生時、妊娠全期間、出生時~離乳時、離乳時~7週齢時のいずれも有意な差はなかった。また、母体より血清中葉酸濃度を測定し、葉酸添加群に有意な増加を認めている。現在、テーマに則りX染色体不活性化因子およびX連鎖遺伝子発現、肝代謝酵素、精子形成への影響等の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同時期にエフォートの高い新たな研究課題を進めることとなり、当初の計画以上の進捗は得られていないが、概ね当初の計画に従い進行している。
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今後の研究の推進方策 |
雌性出生仔より脳、肝臓、胸腺、血清のサンプリングを完了しており、現在、テーマに則ったX染色体不活性化因子およびX連鎖遺伝子発現、肝代謝酵素(G6PD測定)等の解析を進めている。また、雄性出生仔の性成熟を待ち、精子形成への影響とともにX連鎖遺伝子発現の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より試薬等が安価に収まり、次年度の推進に活用したい。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の推進方策を実施し、本研究テーマを遂行する。
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