ミトコンドリア融合・分裂関連分子の皮膚悪性腫瘍での発現解析をおこなった。皮膚有棘細胞癌においては、周囲の正常表皮細胞に比べて、Drp1が高発現していた。次に、Drp1のノックダウンによって、細胞増殖が抑制された。さらに、ヌードマウスを用いたin vivo異種皮下移植モデルでの癌細胞増殖についても検討し、ノックダウンによって腫瘍の増大が抑制された。細胞周期解析ではG2/M期での停止が認められた。Drp1阻害剤を用いた治療実験では、Drp1阻害剤投与によって、皮膚有棘細胞癌の増殖抑制を得た。以上のことから、ミトコンドリア分裂Drp1は皮膚有棘細胞癌の細胞分裂・悪性化に関与していることが示唆された。
|