研究課題
本研究全般を通して、皮膚悪性腫瘍における腫瘍随伴性マクロファージ(Tumor-associated macrophages: TAMs)の動向を、各癌腫の間質由来タンパク、特にRANKLを中心に解析をした。その結果、新たに、RANKL刺激により、M2マクロファージが主なサブタイプであるTAMsが腫瘍進行を促進する抑制型免疫細胞を誘導するケモカインを複数種産生することが明らかとなった。これは2016年のExp Dermatolに発表している (Fujimura T, Kambayashi Y, et al.)。また、RANKは乳房外パジェット病の腫瘍内に存在しるランゲルハンス細胞にも発現しており、RANKL刺激により制御性T細胞を誘導するCCL17の産生を増加させることが明らかとなった。この結果はBrit J Dermatolに2017年に発表している(Fujimura T, Kambayashi Y, et al)。さらに乳房外パジェット病のみでなく、アポクリン腺由来の悪性腫瘍であるアポクリン腺癌においても腫瘍自体がRANKLを発現していること、アポクリン腺癌が腫瘍内にM2極性を持つTAMsを豊富に持つことが明らかとなった。この結果はAnticancer Resに2018年に発表している (Kambayashi Y, Fujimura T, et al.)。さらにRANKLの発現が、病理学的に乳房外パジェット病との鑑別に困難である、パジェット様ボーエン病との鑑別に有効であることを2016年にJ Cutan Patholに報告した(Fujimura T, Kambayashi Y, et al)。以上の研究成果を中心に、本研究期間を通してImpact factorのある国際誌に9本掲載したことから、本研究成果は当初の予想をはるかに超えた優良な結果であったと考える。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (2件)
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