本研究により、多くの遺伝性角化症の患者の病因遺伝子を同定し、その病態を解明することができた。中でも、SDR9C7遺伝子変異を持つ患者において、角層細胞間脂質の減少と層板顆粒内の層状構造物の減少を発見することができた。これは世界でも2番目の、SDR9C7遺伝子による先天性魚鱗癬様紅皮症の報告になり、本報告により、他の日本人の魚鱗癬患者の中にも、この遺伝子の異常で疾患が引き起こされている患者がいることが示唆された。遺伝子型-表現型の解析がさらに進めば、オーダーメイド治療の開発に繋がることが期待される。
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