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2017 年度 実施状況報告書

末梢神経と免疫細胞のクロストーク 「皮膚掻痒のメカニズム解析を目指して」

研究課題

研究課題/領域番号 16K19720
研究機関京都大学

研究代表者

中嶋 千紗  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(RPD) (50733573)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード皮膚 / 末梢神経 / 好塩基球
研究実績の概要

アトピー性皮膚炎(AD)の増悪時、皮膚常在細菌叢の菌の種類が著しく減少し、黄色ブドウ球菌が過半数を占めると近年報告されている。また、好塩基球はTヘルパー2型炎症において、炎症のイニシエーターとして働くことが報告されている。しかしながら、黄色ブドウ球菌が増加したようなアトピー性皮膚炎の増悪時における好塩基球の役割についてはわかっていない。そこで、我々は黄色ブドウ球菌の死菌を塗布し慢性皮膚炎を誘発し、末梢神経と好塩基球の役割について検証した。
前年度までに、好塩基球除去マウスを用いると、黄色ブドウ球菌誘発皮膚炎における耳介腫脹の減弱を認めた。薬剤的除神経モデルにおいて、同様の皮膚炎を誘発すると耳介腫脹が減弱し、好塩基球の皮膚絵の浸潤も低下していることが分かった。
今年度に入りさらに、薬剤的除神経モデルの皮膚局所におけるケモカイン産生を測定したところ、好塩基球の遊走にかかわると知られているCCL5/RANTESやCCL2/MCP-1の産生が低下していることがわかった。
また、脊髄後根神経節(DRG)を採取し培養したのちに、黄色ブドウ球菌の死菌や、黄色ブドウ球菌の壁構成成分であるリポテイコ酸で刺激すると、DRGからのCCL5やCCL2の産生が濃度依存性に増加することが分かった。またリボテイコ酸で刺激したDRGの培養上清を用いることでin vitroにおいて好塩基球の走化性が増加することがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスモデルを用いた証明と、脊髄後根神経節細胞を培養した実験を組み合わせることで、さまざまな角度から証明できているため。

今後の研究の推進方策

黄色ブドウ球菌が末梢神経を活性化するメカニズムや、好塩基球の皮膚掻痒における役割をより詳細に明らかにしていきたいと考える。またこれまで分かった知見に関しては、広く世間に発表し、積極的に論文発表を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Interaction of peripheral nerves and basophil plays an essential role in murine atopic-dermatitis-like inflammation2017

    • 著者名/発表者名
      Chisa Nakashima
    • 学会等名
      日本研究皮膚科学会
    • 国際学会
  • [学会発表] 皮膚末梢神経が好塩基球の遊走を促進し皮膚炎を増悪させる2017

    • 著者名/発表者名
      中嶋 千紗
    • 学会等名
      第38回 日本炎症・再生医学会
  • [学会発表] Peripheral nerves promote basophil infiltration via TLR2 in murine atopic-dermatitis-like inflammation2017

    • 著者名/発表者名
      Kenji Kabashima
    • 学会等名
      47th Annual European Society for Dermatological Research (ESDR) meeting
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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